まめの木に、今年の春、子どもたちが使うことのできるノートパソコンを寄付していただけたことで、今まであまり話し合われなかったYouTubeやゲームについての話し合いがよく行われるようになりました。
最初にパソコンが来たとき、みんなまず動画が見たいと言い、アニメなどを見始めました。でも、一人一人の見たいものが違うので、交代で見なければいけません。みんなで相談して、予約表に見たい人が名前を書くと決まりました。だけど、これは見終わった子がすぐまた名前を書くというトラブルが発生して長続きしませんでした。
ミーティングの結果、まめの木の時間中にみんなに順番が回ってくるように1人30分という時間制限が設けられました。だれかと一緒に見ても同じ30分しか見れないルールです。
同時にペンタブを使って絵を描いたり、インターネットを使って調べたりする子がいましたが、これは時間の制限なくできることになりました。
9月頃にまめの木でゲームがしたいという話になり、以前友人が寄付してくれたNintendo wii U をまめの木の2階に設置しました。
子どもたちはゲームの時間は30分では短すぎるといい、1時間だとみんなができないから長すぎるといい、話し合いを重ね、結局45分という時間制限で合意しました。それからはタイマーを使って交代しながらゲームをするようになりました。
つい最近、インテリア・デザインのソフトを使って家をデザインする子が出てきました。しばらくの間はこれらの活動はペンタブのように時間制限がありませんでした。
しかし、その後でマインクラフトというゲームをパソコンを使ってみんながするようになりました。これも最初は他のゲームのように45分制限だったのですが、何人かの子供たちがこれも絵を描いたり家をデザインをするのと同じように何かを作っているのだから時間制限があるのはおかしいとミーティングで主張しました。
1時間近いミーティングの結果、マインクラフトも時間制限無しで遊び続けられるようになりました。合わせて、45分の時間を使わなかった場合、その同じ週の間であれば別の日に持ち越して使えるようになりました。ホワイトボードに各自の名前を書いて、分刻みで自分たちの残り時間を管理することも決まりました。
朝、子どもたちが来て、パソコンの前に陣取り、ずっとそこにいるようになりました。一日中やっていた子もいました。でも、みんながそうかと言うと、そうでもなく、1時間ほどだけやってあとは外に行く子もいました。
もちろん、まめの木では子どもたちの意思に任せて活動内容やスクールの中のことを決めてもらうことを原則としています。だから、これらのことが決まっていく中で、大人はルールの確認はしても、口出しはしません。
あまりに突然、ゲーム無法地帯になったことに戸惑う大人たちをよそに、子どもたちは時間無制限を満喫しました。
と言っても、3日間だけ。
4日目にパソコンの順番が回ってこなくてやりたいことが出来ないから、やっぱり時間制限を設けたいという意見がミーティングで出ました。
この意見、もっと激しい抵抗があって受け入れられないのかと思えば、案外すんなりと、ペンタブも動画もゲームも全部元の45分という時間制限があるようになりました。
話し合いで決まったからか、一度行くとこまでやってみたからか、みんなゲームのできる時間が減ったことを受け入れ、毎日それぞれの時間を楽しんでいます。
ゲームがいいのか悪いのかということに対しては、みんないろんな気持ちがあります。
だけど、そんな議論は大人の都合と固定概念でしているだけです。
最初は親が連れてきてくれた、ただの遊ぶ場所だったまめの木に対して、
子供たちが少しづつ自分たちの場所だという気持ちを持ち、
自分たちで作り上げていくことができる、嫌ならどんどん変えられるという
意識を持ってきてくれていることが嬉しいです。
そして、大人たちがまだまだ成長せなあかんなぁと考えさせられます。
投稿者 :西村 源