子ども達が今月やった事をまとめるより、最近私が考えてる事をシェアしたいと思います。
10月の子供達は、先月流行った事をあまりしなくなり、新しい流行りが沢山できた月でした。シーソーとマフィン作りはどこかに行ってしまい、チェス、ルービックキューブ、山のブランコ、そしてサッカーとテニスを融合した斬新な遊びも出て来ました。鉄棒鬼ごっことポケモンカードバトルはまだ楽しそうです。こんなふうに、ブームが移り変わる過程はいつも面白いなぁと思います。これがまめの木と従来の学校との大きな違いの一つだと感じます。
一般的な学校では、子供たちは好きなことを飽きるまでとことん繰り返したり、飽きないように遊びを進化させたりする機会が制限されてしまっています。でも、私はそういうことの大切さを忘れないことが大事だと思います。まめの木の子供たちは満足が行くまで、一つの活動を何度も繰り返します。こんな子供たちを見ていると大人達は、活動の種類が少ないからといって、ついつい不安になりがちです。でも、私は、この学び方は、子供たちが自分たちに合ったレベルで頭や体を使い、自分たちで遊びをレベルアップさせたり、違う活動に移ることを判断したりすることができて、むしろ理想的な学び方なのではないかと感じます。私は子供の頃、自分の限界をほんの少し超えるくらいの難しい課題を見つけた時に、一番純粋な喜びを感じていたのを覚えています。10月は以前よりも子供達が、そういう「自分にとってちょうど良いチャレンジ」(英語で"sweet spot"て言います。)を見つけることが多くなったような気がします。
10月にまめの木で起きたブームは、ほとんどの場合、1人の子がそれに興味を持って、「自分もやりたい!」となったことから始まりました。どれも、1人の子が家からルービックキューブを持って来たり、ボードゲームの山から誰かがチェスセットを見つけてきたという程度の小さな偶然のきっかけから始まりました。どちらの活動もここ2週間ほどの間、子供達がのめり込んでいる活動になっています。
スタッフとしても、子供達に新しい活動を紹介して参加するきっかけを与えることもあります。フランスから来てるボランティアのアヌックさんは、子供たちと絵を描きたいと言いました。私は「とりあえず絵の具を出して絵を書き始めたら」と提案しました。彼女は、「今、子供たちがみんな他のことで忙しそうにしているから、絵の具を出しても誰もやりたくないかもしれない」と言いました。私は「絵の具を出せば、絶対一人はいると思うよ」と言いました。その通りで、十分もしないうちに、5人ほどの子供たちが集まって来て、楽しく絵を描き始めました。このように、なんでもないことが子供達の新しい体験に繋がることがよくあります。
この点で、保護者やまめの木に関わるみなさんが、子供達の選択肢を広げる為にできることが沢山あると思います。たとえば、子供達に自分の興味のあるものや考えをまめの木に持って行ったらどうかと勧めたり、私達に面白い人や活動を紹介してくれたり、またはただ子供達と遊んだりなど。お迎えの時間にみなさんがお喋りしたり、協力して送り迎えをしたり、一緒に畑をしたり(感謝!)、まめの木以外の場所でも遊んだりして、仲良くなってるのを見るととても嬉しいです。子供達も含めて、まめの木がコミュニティとして育って行くことは私たちに大きな希望を与えてくれています。
ブームが起きていることについて、もう一つお話ししたいのは、子供同士で教え合っていることの大切さです。いくつかの研究によると、兄弟の中で一番年上の子が少しだけIQが高くなるという結果が報告されています。もちろん、様々な理由があるとは思うのですが、一つの仮説としては、年上の子供の方が下の子供達に教えることで自分達の学びを再確認できる機会が多くあるということが考えられると思います。
まめの木ではこのようなことが起きているのを日常的に見かけます。年上の子達が下の子達に新しいことを教えることもありますが、同じくらい年下の子達が年上の子達に新しい遊びを教えていることがあります。
学びとしての意味だけでなく、他の子に教えることが彼らの自信や社交性の向上に繋がり、年齢の違う人とコミュニケーションを取るいい経験になっていると思います。一般的な学校ではなかなか得ることが難しい経験だと思います。
これは、将来彼らが働くようになって、異なる世代間と協力しないといけない時に役に立つスキルになるでしょう。子供達に教える側になってもらうためにわざと分からないフリをすることがあります。まぁ、ほとんどの場合、特に漢字の勉強に関しては、フリをする必要すら無いんですが。
まだまだ皆さんとシェアしたいテーマはありますが、今回はこの辺で。
写真から伝わることにも限りがあるので、もし子供達がどんな時間の過ごし方をしているかご興味のある方、特に日常的にまめの木に来れない方は、気軽に話しかけてください。10月がまた学びと成長の多い一月にできたこと、子供達、保護者の皆さん、そしてスタッフやコミュニティーメンバーの皆さんに感謝しています。
投稿者 :Gen Nishimura