イノシシ石けん作りワークショップ

まめの木通信

2024年11月29日金曜日 12時 22分

世の中では多くのものが失われ、多くのものが無駄にされ、すべてが目まぐるしく過ぎ去っていきます。私たち自身の生存さえ、この流れを受け入れる能力にかかっているように感じられます。「これが今の時代のあり方なのだ」と割り切り、この激流に身を任せるしかない、と。しかし、その流れは私たちを未来へと押し流しながら、これまで蓄積してきた知恵や知識、職人技や熟練の価値さえも奪い去り、時間の価値に対する感覚まで歪めてしまいます。

今の私は、日々この流れに合わせて自分を曲げながら生きています。若く、力強く、そして正しくないことには屈しないと決めていた頃を思い出します。自給自足の夢を追いかけ、可能な限り独立した生活を目指し、すべての野菜を育て、すべての動物を飼い、一切の公共サービスを使わずに生活すること。それでも現実は甘くありません。子育て、仕事、お金の問題といった現実が立ちはだかり、自分の志や忍耐心さえも自分を弱らせ、夢から遠ざけていくのです。疲れ果て、過労で参り、圧倒されて落ち込む。どんなに努力しても、物事が簡単になることはなく、問題の解決に近づいた実感もない。人生において、「追い求めていたものを諦める」という選択肢が避けられない道なのだと確信しています。若い頃は、この道を巧みに回避できると思い込んでいましたが、歳を重ね、心が柔らかくなり、頑なさが薄れると、諦めることが人生のバランスを取り戻し、生きる価値を見出す手段であることに気づきます。そして、その多くの夢のうち、たった一つの糸を掴むことで、未来への激流に流されることを防ぐ道が見えてくるのです。

時には立ち止まり、逆の方向に身を曲げることが大切です。もっと大事なのは、それを一緒に誰かと行うこと。お金よりも時間の価値があることをし、それを誰かと共有するのです。

私の方法の一つが、毎年の恒例行事となった「イノシシの脂で石けんを作ること」。お肉屋さんの友人からいただく、捨てられるはずだったイノシシの脂を活用します。かつて夫のゲンが狩猟をしていた頃、私はその脂を精製してパイのクラストを作ったこともありましたが、どうしても取れない獣臭のせいで味がひどかったのです。そこで思いついたのが石けん作り。脂肪分の多いイノシシの脂肪を使えば素晴らしい石けんが作れるのです。この地域ではイノシシ肉がちょっとした贅沢品なので、シンプルながら贅沢な一品として楽しんでいます。

この石けんは、食器洗いや部分的な洗濯、靴磨き、子供たちの泥汚れ落としなどに使っています。脂肪が手に入らなくても、この石けん作りの技術は天ぷら油や他の種類の油脂でも応用できます。

スケジュール

10時～ イノシシ脂を切り分けてラードに精製する準備
12時～ ランチ（イノシシ肉の味噌汁と、かまどで炊いたご飯）
13時～15時 石けん作りの実演（参加者は石けんを数個お持ち帰りいただけます）

参加費用

ランチ：子供250円　大人800円
石けん作りワークショップ：1,000円

Wild Boar Soap Workshop

So much is lost, so much is wasted, and it’s all going by so fast and our own survival feels dependent on our ability to accept that this is the way things are now, and that the only way forward is to just give in to this flowing river of progress that is taking us all backwards into the future, taking with it all our years of accumulated wisdom and knowledge, values of craftsmanship and mastery, distorting even our sense of what our time is worth.

Now I bend every day in response to the way things are flowing. I remember when I was younger and stronger and less willing to bend to things that I knew weren’t right, trying to live the back-to-the-lander’s dream, getting as close to being self-subsistent as possible, growing ALL the vegetables, keeping ALL the animals, using NO utilities. Of course real life gets in the way, things like raising children, work, money stuff, and you find your own ambition and stoicism is the thing that weakens you and leads you away from your dreams. You get tired, overworked, overwhelmed and depressed because despite your every effort, nothing ever gets easier and the problem is never closer to being solved. I am convinced that there is no life path that doesn’t lead to giving up the things you thought you had to achieve. As a young person you think you can cleverly avoid this path, but as you age and soften and your starches turn to sugars you come to find that giving up is how you find a balance, and to a life worth living. The way back to realizing even just one thread of one dream out of the many that you were clinging to, and that holding on to just one is enough to keep you from washing away into this crazy backwards river into the future.

It’s important to stop and bend back sometimes, and more importantly to bend back together. Do things that are worth more time than money, and do them with someone. One of my ways of doing this, something that has become a yearly tradition, is making soap from wild boar fat I get from my butcher friend that she would otherwise have to throw away. Back when Gen hunted, I used to render the lard and make pie crusts, but the gamey odor you just can’t get rid of and it tastes BAD. I figured out that making soap is a great use for all the blubber from these fatty animals. Around here, wild boar is a kind of a luxury food, so I like to think of my soap as a really lavish indulgence despite its simplicity, the end product being a soap that we use for all of our dishwashing, as well as spot treating laundry and scrubbing shoes and grubby children. Even if you don’t have access to fat, this soap making technique can be applied in exactly the same way for used tempura oil or any other kind of fat.

10~ Cutting wild boar fat to prepare for rendering into lard
12~ Lunch (wild boar miso soup and rice cooked over the okudo-san)
1~3 Soap making demonstration. Participants will be able to take home a few bars of soap.

Lunch: Kids 250 yen Adults 800 yen
Soap Making Workshop: 1,000円

投稿者 :Gen Nishimura

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