丹波篠山市の里山にある、まめの木のフィールド。
その敷地に、のびのびと暮らしている2頭の羊、「トッポギ」と「メイメイ」は、日々子どもたちやスタッフの暮らしの一部になっています。
彼らはただの飼育動物ではありません。
私たちに、**衣のはじまり——“糸や布が生まれるところ”**を教えてくれる、大切なパートナーです。
春になると、冬のあいだに伸びた羊の毛を刈る季節が訪れます。
まめの木では電動バリカンではなく、昔ながらの大きなハサミを使って、時間をかけて丁寧に毛刈りを行っています。
この作業をリードするのは、スタッフのアンナ。
羊の扱いにもだいぶ慣れてきましたが、それでも1時間以上かけて、羊にストレスがかからないよう慎重に進めていきます。
見学や体験も可能ですが、これは単なる「イベント」ではなく、動物の命の一部を人間の暮らしに分けてもらう大切な作業です。
毛刈り後の羊毛は、そのままでは使えません。
草、埃、脂分がたっぷりと含まれており、丁寧に洗い、乾かす必要があります。
この洗毛作業は、見た目以上に大変な作業です。
お湯を何度も取り替え、石けんを使って時間をかけて洗い上げる必要があり、羊毛独特の獣臭や重さも伴います。
現在この工程は、アンナが一人で黙々と担ってくれています。
彼女のように、汚れることを厭わず、地道な工程に向き合える人の存在があるからこそ、次の作業につながっていくのです。
乾いた羊毛は、そのままだと絡まりがあり、糸にはできません。
ここで必要なのが「カーディング」という工程。専用のブラシを使い、毛をふんわりとほぐし、均一な繊維の状態に整えていきます。
ここで初めて、羊毛は「素材」としての姿を見せ始めます。
この工程では参加者が自ら手を動かすことも可能で、手仕事の心地よさと集中する静けさを体感できる時間です。
ほぐした羊毛は、スピンドルや糸車を使って「糸」へと生まれ変わります。
最初は思うようにいかなくても、慣れてくると自分の手の動きと素材のリズムが合ってきます。
「ただの毛」が「糸」になる瞬間。
それは、人の暮らしの中でずっと続いてきた技術と感覚が、自分の中にも息づいていることに気づかせてくれます。
この羊毛ワークショップは、何かをすぐに完成させるための体験ではありません。
毛を刈る、洗う、整える、紡ぐ——すべてが手間と時間のかかるプロセスですが、だからこそ、モノが生まれる意味や、その奥にあるつながりが見えてきます。
子どもたちにとっても大人にとっても、この体験は「学び」というより、暮らしを見つめ直す時間になるかもしれません。
今着ている服がどこから来たのか、何でできているのか。
その答えを、羊の命と暮らしの中で体験してみませんか?
トッポギとメイメイ、そしてアンナと共に、皆さんの参加をお待ちしています。
まめの木では、**月に2回「羊毛の日」**として、羊毛にまつわるワークショップを定期開催しています。
毛刈りの季節には見学や部分体験が可能で、それ以外の時期は、カーディング(毛ほぐし)や糸紡ぎなど、羊毛を素材として活かす工程を丁寧に体験いただけます。
参加費はおひとり500円。親子でも、大人だけでも、初心者の方でも安心してご参加いただけます。
📌 対象:どなたでも(予約制)
📌 内容:季節に応じた工程(カーディング・糸紡ぎ・毛刈り見学など)
📌 開催頻度:月2回
📌 詳細はInstagramにて告知しています。

投稿者 :Gen Nishimura